50代で起業 後悔しないための自遊な生き方

15年勤めた会社を辞めて起業を成功させるために僕がやろうとしていること

デザイナーを救ったある営業マンのひと言

デザイナーを犬死にさせかねない価格競争の成れの果て

店舗に使うのぼりや看板を製造販売している会社に訪問した時のお話。

制作物のクォリティーの話から、当然の如く制作代金の話に移行するわけですが、そこで少し気になった言葉。

印刷業看板業を含め、価格競争の成れの果てともいえる惨憺たる低価格路線を歩まざるを得ない昨今、制作現場を軽視した値段設定でしか受注出来ないとのこと。

要は、印刷は製造業ですから、材料代(用紙、インク他)は確実にかかります。機械を稼働させればコストがかかります。でも設計段階のいわば人の考える部分(アイデア料)に割く余裕がないとのことです。(ゼロ円ではないけれど)

なるほど・・・・と思うことがそここの見受けられます。

 

このサイト、実は私自身も出品者として登録しています。

最低提供価格が500円から、自分の得意分野を出品してそれをビジネスにできるサイトなわけです。私の場合、名刺と似顔絵、チラシデザインを出品しています(プチ宣伝です)。

しかし皆さん価格設定が結構安価なわけです。(批判しているわけではなく)

例えば

フルカラー名刺デザイン1点1000

この価格設定が高いか安いか、判断するのは購入者ですから、私が意見出来る部分ではありません。全員がそんな価格設定をしているわけではなく極一部の方ですが、それでも意見したい。

私の場合1000円だと所要時間10分〜15分と見ます。

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上記のサンプルの場合、

  • 片面フルカラーに付き基本料金¥3000
  • イラスト入でプラス¥2000

高いですか?

印刷通販だと1000円で名刺が作れるのに!って文句が出るかもしれません。

印刷だけですから デザインはしてくれませんからね

実際の作業は単にパソコンに向かってオペレーションしている時間だけじゃありません。どんなデザインがご希望なのか、メールや電話で打合せ時間を含めると1時間やそこらは確実にかかるでしょう。

それで1000円で出来るのですか?

印刷会社に勤務していた時の価格を参考にすると、決まり決まったフォーマットに名前や住所等を差し替えて入れた時の価格設定がおそらく1000円程度だったと思います。

↓1000円の予算だとせいぜいこれが精一杯でしょうか(あくまで制作だけで印刷代は別途)

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※私が何者なのかを伝えるだけの手段だとこれでもいいでしょう。でも・・・名刺をその程度の物と思われるとデザイナーとしては残念で仕方ありません。

真っ白の状態からデザインを起こして1000円でデザインするとは・・・・

パート職の最低賃金じゃあるまいし・・・・。

実績を作る意味で、出血大サービス的な商売ならOKですが、どこかのデザイン会社出身の方ならば、その値段はないやろ?技術の安売りはやめましょうよ!って提案したい。

その理由は、デザイナーの先輩から昔いわれた台詞

名刺ひとつデザインするにしても、自分の技術を上げる意味において1万円以上の価値があると思いながら作りなさい。(無駄に時間をかけるという意味じゃなく)500円の仕事と思いながら作ると確実に500円以下の品質に成り下がるから。その結果、安かろう悪かろうのレッテルを貼られて仕事がなくなるから。

某家具ショップのキャッチフレーズじゃないですが、「お値段以上の価値」を提供できてなんぼの世界ということです。

 営業vsデザイナー

クライアント側の都合(予算や納期限)があるのは当然として、印刷会社としては部数や仕様に似合う範囲内で出来る見積を提出する。ここまでは理解出来るとして、さてその先が問題

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価格に似合わないイメージ(デザイン)を希望される場合が案外多い

要は何処かの良さげなイメージのサンプルを持ち出して

「これと似て非なるセンスのいいイメージで」

殆どの営業マンは二つ返事で喜んで受注します。受注したことだけで頭いっぱいですから。(売上がひとつ取れた的な)

そして社内で一悶着(ひともんちゃく)があるのが必至なわけです。

社内デザイナー曰く

このデザインは見積内の値段ではできないよ〜

有料のイラストや写真素材を使うとなると、制作予算の半分以上を費やすのに!おまけに2案提出って?最初の1案でも割に合わないよ

 

営業マンの常套句は

受注したんだから文句言わずにやってよ!

この台詞幾度となく耳にしてきました。で・・・・やる気半減状態でありながら、黙々と作業をせざるを得ないわけです。

これではデザイナーの飼い殺しです。

 

デザイナーを救う印刷営業マンの一言

営業を兼ねて、とある近隣の印刷会社に訪問した時のお話。

先に訪問した、のぼり看板の製造販売会社のことを話すとやはり私と同じ感想を口にしました。

その営業マン曰く

絵心がなく、制作現場を全く経験していない営業マンが最前線に立つ時代ではありません。物づくりのことは物づくりのプロが打合せ段階から同席するべきです。

先述の通りデザイナーが深く関わる「制作料」と「クォリティー」のバランスをあまり(殆ど)考慮せずに生み出された商品で、高い効果を狙うのは虫がよ過ぎです。いい商品を作ろうと思ったら物理的な材料費以前に「それなりのアイデア料」が発生するということを理解していないから印刷業界が斜陽にいわれる所以なわけです。

高いアイデア料を払えばいいという浅はかな考え方ではなく、品質と相応の見返りが必要だということです。

その後、営業マンから提案メールが届きました。

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 デザイナーを受注の窓口にすることで、値段の相談以前に「どうこうことをしたいのか」を聞き出しやすくなります。家を建てる時と同じで、値段ありきではなく、まずイメージを優先させますよね。外壁の素材やカラー、間取り等、希望をお聞きして、価格と相談しながら勧めるのと同じように、イメージ優先ではないかと。

例えば下記のようなものを作りたい場合

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手書きのアナログ作業を経験しているデザイナーなら、その場でラフスケッチを描くこともできますし、早い段階からイメージを掴みやすい点においてはお客様の意見を吸い上げやすくなります。

販促系のツールならば効果があってなんぼですから、のっけから値段の制約という縛りを付けると予算の都合で仕方なく・・・・という妥協の産物しか生まれません。そして効果も薄かったら、何のための販促なのか意味を成しませんからね。

理想も大切ですが、まず出来ることから

先の営業マンが在籍している印刷会社と業務提携というカタチで仕事を勧める提案を頂いたさ中、社内から疑問視の声も上がっているようです。

社内でも出来ることをなぜ社外のデザイナーに任せるのか?外注費も馬鹿にならないのに・・・・

外注費が馬鹿にならない・・・

答えはそこにあります。

社内でデザインすると安く抑えられる。外注すると同じ値段ではやってもらえない。社内のデザイナーを蔑ろにしている言動だと解りますね。本来社内といえど、まっとうな費用が掛かるにもかかわらず、アイデア料をろくに見ていない印刷業界に未来はないといえます。

それが間違いであったことに早く気が付き、安売り合戦の泥濘から脱出せねばなりません。大切な金のたまごを印刷業界と道連れさせるのはあんまりですから。

それを改善するための先駆けとして提案を頂いたこと自体、大変光栄なことと受け止めています。とはいいつつ、営業と制作の二足のわらじで活動出来る程、行動範囲が広くない私が出来ることは、近隣地域のデザイナーとの協力体制を作ることです。

ライングループを作ろうよ!という提案も頂き、さて今後どんな面白い展開になるやら、久しぶりにワクワクしそうです。