目からウロコが落ちまくった「奇跡の経済教室」

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中野剛志氏の「奇跡の経済教室」を拝読しまして、昨今の政治経済の有識者にありがちな落とし穴について思うことをお話しします。

MMT現代貨幣理論に対する批判について

2019年7月に来日されたステファニーケルトン氏の講演をご存知の方はいらっしゃるでしょうか?彼女が提唱しているお金に関する理論、MMTモダンマネタリーセオリーですが、私のような経済の素人が聴いても“そうだよね!”って思える内容でした。

MMT現代貨幣理論とは「本来お金っていうのはこういうものなんだよ」っていう考え方です。

  • お金は誰かが銀行から借りると発生し、返すと消滅する。
  • 誰かの借金は誰かの資産である。
  • 銀行は市民が預けた原資を元手に貸出しをしているわけではない。
  • 銀行に1000万円しかなくても、借り手に無限の返済能力があれば1億円でも貸し出すことが出来る。通帳に“1億円”と記帳するだけで、同額の金額が銀行に発生する。記帳するだけなので、万年筆マネーとかキーストロークマネーと呼ばれています。
  • 世の中にはお金のプールのようなものがあって、政府はその限られた範囲内でしか財政出動できないというのは嘘。(IMFはそれを勧めている悪の組織です)
  • 自国通貨を発行できる日本国は、自国通貨での借金による財政破綻は100%ない。
  • 財政赤字の判断は、額の大きさではなく、インフレ率で見るべきである。
  • 財政支出は、インフレ率2%か、企業の生産能力の上限に達するまで支出してもいい。
  • 政府が発行する国債を民間銀行が購入する際、日銀にある準備当座預金から支出しているのであって、市民が預けた預金額の量とは全く関係がない。(財布は別)

総括として例えると、車の運転で左にハンドルを切ると左に曲がり、真っすぐにしていると直進する・・・くらい当たり前のことを説明しています。

でも、上記のようなことを知らない政治家や主流派経済学者達は、MMT現代貨幣理論に対して猛反発の嵐です。

  1. 際限なく財政支出し続けるとハイパーインフレになるではないか!
  2. 現在の経済学においては全くぶっ飛んだ、とんでも理論である!
  3. インフレを制御できるとは思えない!数式がない感覚的な浮世離れしたものだ!
  4. かつてのギリシャと同じ道を歩むつもりか!

財政支出に関して、誰も際限なく支出しまくれなんて言っていません。インフレ率2%という数字の制限があります。仮にインフレ率が過剰なほどに上昇すれば、税金というカタチで市民から徴収することで、需要の加熱は収まると考えます。(消費増税

批判者の意見を先ほどの車の運転で例えると

  • 左にハンドルを切ったのに右に回ったらどうする!
  • ブレーキが故障したら止まれないではないか!

ありもしないことを想像するのが大好きな人ばかりです。時速10キロしか出ていないのに、暴走することばかり考えているのでしょうか?

他にもこんな反論がありました。

インフレになれば増税すればいいなんて簡単にいうな!消費増税にはかなりの時間と手間が必要。国民の同意も必要。そんなことも知らない戯け者!

よくいいますね(笑)この20年で4度も無理矢理消費増税をした実績があるのにMMT理論を否定するために自ら行ったことを否定しているわけですから。

そもそもハイパーインフレですが、戦争などで供給能力を破壊し尽くされた国であれば起こりうる可能性がありますが、20年間デフレを脱却できない我が国において、ハイパーインフレの恐れって1000%ありません。

例えると

拒食症の人が「これを食べたら、食欲を抑えられなくなって過食症になる!」と恐れているようなもの。まったくトンチンカンな話です。

自分達は絶対正しいと思う共同体意識

おおよその政治家や財務省の御用学者、主流派経済学者、経団連のお偉いさん達は、組織の中で凝り固まった旧態依然の考え方を変えることが出来ません。ある共同体に属していると、その中の考え方が全てで、少しでも違う考え方ややり方を批判し、無視し続け、絶対自分たちの理論が正しいと疑うことをしません。

彼らは今後も新しい考え方を受入れられることはないでしょう。かつて天動説と地動説の争いがありましたが、天動説が信じられていた頃に「天が動くのではなく我々が動いているのだ!いわゆる地動説が本当なのだ」と問いても、大多数に受入れられませんでした。現在においてはどちらが正しいかは言わずもがなですね。

2019年現在、財務大臣麻生太郎氏は「我が国においてMMTを実践するつもりはありません」と明言しています。そもそもMMTを実践するしないの方法論ではなく、貨幣に関する考え方を説くものであるので、一国の財務大臣であろう人物の言葉としては、思わず笑ってしまいますね。

例えると

我が国ではニュートン万有引力の法則を実践するつもりはありません。

ならば日本だけはりんごをもぎると空に飛んで行くのですか?

万有引力は実践するしないではなく、自然の摂理ですから(笑)

MMT理論がすべて正しいかどうかはわかりません。とはいえ、この20年間デフレを脱出できず、財政支出をし続け政府の赤字が対GDP比率240%に迫ろうという現在でも財政破綻はしていない日本は、皮肉にもMMT理論の正しさを立証しているわけです。にもかかわらず、それを頑なに批判し続けているのは、狂信者としか思えません。

自分の間違いを認めたくない人へ

日本政府がMMTの考えのもと経済の安定化を図れるかどうかですが、先にお話しした通り、組織の一員として異論を唱えると排除される世の中です。

「あれっ?このやり方おかしくない?」って思うことすら許されないわけですから、なんともやりきれない気持ちです。

でも変えないといけないよね・・・って思っているさ中、過去に読んだある本の一節を思い出しました。

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10年以上前に書かれた本「夢をかなえるゾウ」です。

ガネーシャというゾウの出で立ちをした神様が、ダメダメなサラリーマンを成功に導くための教えを説くというストーリーです。

本の一節を借りて今の政治家や主流派経済学者に教えたいひと言

今まで自分なりに考えて生きてきて、それで結果が出せへんから、こういう状況になってるんとちゃうの?逆に聞きたいんやけど、自分のやり方であかんのやったら、人の言うこと素直に聞いて実行する以外に何か方法あんの?

自分の考えが正しいに違いない!っていうプライドなん?いつかは成功するんやないかっていう期待?

保証したるわ。このままやと2000%成功でけへんで。

ちなみに成功せえへんための一番重要な要素は「人の言うことを聞かへん」こと。

自分の考えにしがみついているうちは、絶対無理やで。

 実際問題、MMTを取り入れている某国はこういう状況に陥っている!だからダメ!という偏見に満ちた意見が多いわけですが、お国事情が全く違う状況下で、同じ物差しで図ることそのものがおかしいのではないですか?

現在の時流に合っていない経済論では立ち行かない状態なのだから、新しい考え方を食わず嫌いで批判するのではなく、取り入れられる部分から行動に移すようにできれば、少しは変わるのではないでしょうか?

最後に思うこと

今となっては誰も信じていないことを祈る「政府の借金1000兆円 国民一人当たり900万円相当」の話や財政赤字ギリシャと同じ財政破綻の道を歩む恐れ。

ユーロ建てで借金をして破綻したギリシャとは違い、我が国は円建ての借金で、加えて円を発行する能力のある国がどうやってデフォルト(債務不履行)するのか!?ありえません。(財務省もHPでそう唱っています。)

そういう悪いプロパガンダで市民を惑わすことは止めて頂きたい。

借金1000兆円が政府の赤字には違いはなくとも、そう表現するのではなく、今まで政府が財政出動した履歴と考えて頂きたい。個人向けの国債も見方を変えれば“将来へのツケ”ではなく“次世代への贈り物”だから。

目からウロコが落ちる「奇跡の経済教室」を一人でも多くの方に読んで頂けて、日本が少しでも住みやすい国になればいいなと思います。