リフレ派 vs MMT論者の妥協点なき争い

これを執筆しているのは2020年1月現在ですが、某有名無料動画サイトで気になる動画をつい拝見してしまいました。(悪い意味で)

タイトル(仮)

「上念司のMMT見解」

経済評論家の上念司氏がMMT現代貨幣理論に関して扱き下ろしている内容です。

ちなみに上念司氏は主流派経済学に近い考えで、昨今取り沙汰されている「リフレ派」の方です。

リフレ派とは?

リフレーションの略で「通貨再膨張」とも訳されるように、デフレ状況下からインフレになること指します。インフレといっても経済状況が不安定な国が陥るような高いインフレではなく、マイルドなインフレ(物価上昇率2%程度)を指します。
マネタリーベースを拡大して短期金利を極限までに下げ、市場がお金を借りやすいような操作をしているようです。

上念氏は、語り口調からして「1聞いたら10を知る」が如く、自身の正論を捲し立てるタイプで、かなり頭が切れる方という印象です。今回は上念氏の誤認について書いてみます。

そもそもMMT現代貨幣理論の目的

MMT現代貨幣理論はもともとケインズの経済理論から派生したものであり、政府が自国通貨建ての借金をいくら増やしても財政破綻はせず、インフレはコントロールできる。デフレの際に緊縮財政なんてもってのほか、もっと借金をして財政出動すべきである。とまぁ、そんな主張を含んだ理論のことです。

自分なりに理解しているMMTの目的は

参考文献および参考ブログ↓

上念氏の反論を暴く

MMT理論では、財政政策で経済を立て直そうとしています。要は財政支出拡大、増税等。しかしリフレ派は金融政策のほうが手っ取り早くて効果的であると考えます。

突っ込みどころその1

リフレ派の推奨する金融政策とは、民間銀行が日銀に預けているお金(マネタリーベース)の増大です。潤沢な原資によって民間銀行は企業や個人に貸し出しやすくなります。よって世の中の通貨の量が増えてデフレを脱却出来ると考えています。

しかし!

そもそもお金は誰かが誰か(銀行)に借金することで生まれるという前提で考えると、ただ単に日銀がお金を用意して実態社会に広めようとしてもデフレ時(需要不足時)に銀行にお金を借りてまで投資をしようという企業や個人は少ないと思われます。要は貸出しやすくなっても、借りる人がいない状態では、実体経済にお金が流れないわけです。

現実問題2010年頃はマネタリーベースは100兆円程度だったものが2019年の段階では金融緩和により500兆円まで膨れ上がっていますが、デフレを脱却出来ていないことを見ると「やり方間違えてないか?」と問われても仕方ありませんね。

 マネタリーベース増大

  ↓↓↓↓↓↓↓↓

必ずしも実態社会の貨幣量は増大しません

ちなみにMMTは、財政政策によってデフレ脱却が出来ると論じています。例えば政府が公共投資(だけじゃないですが)で民間企業へ仕事を提供することで、実態社会に直接お金が廻る仕組みを強化しています。財政政策を行うことで金融政策も同時に進められるということです。

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突っ込みどころその2

財政赤字が5000兆円になってもいいのか!?といういリフレ派の反論に対し、「奇跡の経済教室」著者の中野剛志氏は“高インフレでない限り問題ではない”と述べています。前提として、国民が政府を信用している限りという条件が付きますが、それでもこのままだと財政赤字5000兆円達成は夢ではないと思います。(変な言い方ですが・・・・)

私の意見として、現状政府の借金1000兆円のお蔭で、同額程度のお金が世の中に出回って、国民生活を潤していると考えると、決して1000兆円が悪でもなく、仮に5000兆円になって、企業の内部留保格差社会問題が解消されるのであればOKではないでしょうか。

しかし財政赤字が5000兆円になってもいいのか!?という反論に対し、あざ笑ってしまったのは私だけでしょうか?過度な地球温暖化で明日世界中が水没してもいいのか!?っていうくらい極端な例ですし、そもそも表現が餓鬼っぽ過ぎるんじゃないの?って思います。

突っ込みどころその3

とにかく主流派経済学(リフレ派を含む)はインフレを極度に嫌っています。特にリフレ派はデフレが悪と言いながら極度なインフレ(ハイパーインフレ)を恐れるがあまり、アクセルを踏み続けることが出来ていません。(ビビリ?)

そもそもハイパーインフレというのは、供給能力が破壊し尽くされた世界(第一次世界大戦後のドイツや第二次世界大戦後の日本)なら有り得ますが、現状の日本では考えられません。

上念司氏の言葉で、「過度なインフレになりかけたら制御不能になる。MMT論者は“増税することでインフレ制御が出来る”等と頭の中がお花畑のようなことをいうがそれは無理である」

どこが無理なのでしょうか?この20年でお前ら何回増税してんねん!?って日本国民全員から突っ込まれる覚悟がお有りなのでしょうか?それを言うのならば、逆進性の消費増税ではなく、累進性の税(法人税所得税)やそれこそ物品税(贅沢税)の復活も提案して頂きたいところです。

結論なき結論

自分たちが出来ていないことを棚に上げ、人がやろうとしていることに対し水を指す。百歩譲って相手の意見に合意出来ない事実に関しては受入れるとして、さて・・・。方法論は問いません。目指すべきところは日本人が分け隔てなく幸せに暮らせる国にすることという前提で考えると、やるべきことが見えてくるのではないでしょうか?

政治家も企業のトップも社会的役割をまっとうすること以前に、一国民としてよ〜く考えて頂きたいと思います。