働き方改革ついてフリーランスの立場でひと言

労働環境の改善、いわゆる「働き方改革」が国と産業を挙げたテーマして昨今話題に上がっています。現在フリーランスの私自身としては、そもそも企業内での話でしょ?関係ないわ〜と正直思っていましたが、企業の縛りのない働き方という見方をすれば自身で「働き方」の改革を実践しているわけです。

フリーランスという立場で「働き方改革」に関して少しだけ思うことをお話しします。

そもそも“改革”という言葉は嫌い

小泉内閣の頃「構造改革」という言葉が流行りました。不況から脱出するため、経済に改良を加え、多少の傷みを味わうも、将来の幸せのため・・・とかご立派なご高説を賜りました。(正直意味不明)

要は公的企業の民営化、政府規制の緩和、貿易制限の撤廃、独占企業の分割による競争促進政策などですが、実のところ国民のためというよりも、サービス供給側の政策ということです。

構造改革によって不況から脱出できるという表現は誤解であって、需要を増やす財政政策と金融政策を行わないと効果がありません。

小泉純一郎氏の「構造改革なくして景気回復なし」というのは間違いで、それをいうならば「構造改革が成功しても景気回復するとは限らない」が正しいのではないでしょうか?

だからではないですが、政府の打ち出す「・・・改革」はいつも明後日の方向を指しているものばかり。今回の「働き方改革」もマクロ的にはいいことでも、ミクロの視点では問題が山積みです。

そもそも働き方改革って?

政府が掲げている「働き方改革」の目的及び概要は以下の通り。

  1. 長時間労働の是正
  2. 非正規と正社員の格差を解消
  3. 労働人口不足による高齢者の就労促進

1.長時間労働の是正

長時間労働による過労死や精神的ハラスメントによる自発的退社を余儀なくされること等の是正を勧告するものです。しかし私が企業に属していた頃の経験では、「こなすべき仕事が山積みなのにどうやって時短するねん!?」という問題が常にありました。「効率よく」とか「優先順位つけて」とか「空いている人に任せて」とか現場を知らないヤツに好き勝手いわれても、人員不足であるが故に解決すべき方法が限られています。結局、こそっと仕事を持ち帰って、さも時間内にやりました・・・みたいな顔をしていたわけです。

私のような例が特殊なのかどうか定かではありませんが、残業規制がかかって、仕事をした割には給料が減ったというのは事実だけが残りました。

私が申し上げたいことは、会社は社員が高いパフォーマンスを発揮出来る物理的な環境を整え、ハラスメントのない健全化な職場作りをすること。それをせずして、ただ単に社員の自助努力による労働時間の短縮が目的を求めること自体、無茶だと思います。

2.非正規と正社員の格差を解消

非正規社員の待遇は、正社員の時給換算賃金の約60%にとどまります。欧州では80%ほどであることからも、非正規・正社員の格差は日本においては激しいといえます。

企業の本音は、同じ労働ならば非正規社員の方が安く使えて、しかも仕事がなければ簡単に切れる、いわゆるジョブ型雇用をしたいはずです。しかし現在の日本は年功序列や終身雇用を前提にしたこのメンバーシップ型雇用が一般的です。

賃金の安い外国人労働者を多く雇い入れたり、労働者全体の約40%を占めているといわれている非正規社員をジョブ型雇用するのは会社を運営する都合上仕方がないことかもしれません。

ちなみに中小企業(従業員10人以上)の全国平均時給は

格差あり過ぎじゃないですか?正規と非正規の格差を失くし、また同一労働同一賃金が可能であればそれは改革というよりも革命に近いと思います。

3.労働人口不足による高齢者の就労促進

少子高齢化労働人口の減少により、高齢者も70歳まで働くことが出来るように就労促進を目指す政府ですが、知り合いのとある会社社長がこんな本音を漏らしていました。

チームで仕事をする場合、年齢差があり過ぎると作業効率や時間の面でバランスが取りにくい。雇うならば納期の緩い一人で完結出来る仕事を選って与える必要がある。かつての上司に当たる高齢者が部下になった場合、若いリーダーは接し方が難しい。

それと他のブログでも触れましたが、パフォーマンスの落ちた高齢者を妖精さんと呼ぶ風潮があったり、同一会社での延長雇用ならまだしも、新規雇用で65歳の初老のじいさんを雇いたいか?っていう疑問。私が経営者なら・・・・正直気が進まない。

実際私自身もそう言われましたから。50代の社員はちょっと・・・・。社員の年齢バランスを考えると雇用出来ませんとのことです。

余談ですが、私が37歳で転職した時も同じ理由でした。某企業から不採用の理由が「37歳でしょ?年いってるからなぁ・・・ちょっと無理です」今考えると体力気力バリバリの頃です。要は企業は何にも染まっていない20代の真っ白な人材が欲しかったようです。まぁ現在でもそれが極端な例ではないのではと思います。

まとめ

長時間労働の是正や格差解消、高齢者の雇用促進等、抜け穴のない仕組みをガチガチに作りこんでも、それを実践するのは“人”です。

労働時間の短縮が賃金の低下を招いたり、格差を解消するために正社員の給与を下げられるのも嫌だし、若い社員にとって高齢者を採用することが救済ボランティアに取られかねなかったりと、ミクロの視点では問題山積。トップダウンで「国がこう決めたからこないせえよ!」では人は動きません。仕組みが形骸化しないためには、心理学の面から個々の社員の思いを吸い上げて、格差に対する不平不満のガス抜きを会社は努めるべきではないでしょうか。